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早朝の6時55分に電話が鳴った。
「これから4人のメザマシ隊がそちらに出動致します」
はあ?。
しまった。ここはへんてこ星だった。
「ああ、いいです!。いいです!。もう起きましたから!」
なんてこった。たしかに「7時に起こしてくれ」と頼んだが、この星ではメザマシ隊なるものが起こしに来るのか。如何にもへんてこだ。しかも、予告の電話で起こしてしまっている。これではメザマシ隊出動の場面がないではないか。へんてこ過ぎる。この星はへんてこ過ぎる。
着替えて、まるで日光江戸村のようなロビーに降りると、広中さんが茶屋で饅頭を喰っていた。ちくしょう。同化していやがる。しかし、この風采の上がらない中年の小男が私の唯一の拠り所なのだ。
「広中さあん、メザマシ隊のこと、云ってよお」
「あ、おはようございます。ほら、そこにいますよ」
なるほど。ちょんまげ姿のメザマシ隊が待機中だ。4人がそれぞれプラカードを掲げている。
メ。
ザ。
マ。
シ。
これでどう起こすというのだ?。
「こいつら、出動したことあるの?」
「ああ、出動したところは見たことがありませんねえ」
「だろうね。だろうね」
「この人たち、これだけで喰ってるんですよ」
「えっ?。プロなの!?」
「国家試験もあるんです」
「メザマシの!?」
「さあ、何の試験なのかは判りません」
「…なんかさあ、ここの人たち、わざとへんてこにしているような気がしてならないんだけど」
「いや、わざとじゃないんですよ。天然です」
「天然でここまでへんてこでいいの?」
「いいんじゃないんですか。星は栄えてるんだから」
そうなのだ。この星はこれでも栄えているのだ。そして、どうして栄えているのかを探ることが、この旅の目的でもあるのだ。
朝食のバイキングではカツ丼、天丼、親子丼が並んでいた。こんなもん、朝から喰えるか!。「ふざけるな!」と従業員を怒鳴りつけると、広中さんにやんわりと窘められた。
「岸田さん、この星ではこれが普通なんですよ」
(2007年5月5日)
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