ベンダー一家
The Bloody Benders (アメリカ)



ベンダー一家の宿


屍体発掘現場

 大草原の小さな家に住んでいたのは殺人一家。130年前のアメリカを震撼させたこの事件は、今なお伝説として語り継がれている。しかし、裁判にかけられることはなかったために、詳しいことは判っていない。

 カンザス州チェリーベールに宿を経営する一家がいた。ドイツ系移民のベンダー一家である。宿といっても単なる掘っ建て小屋で、カーテンによって表は雑貨屋、裏は寝室に分けられていた。
 家長のジョン・ベンダーは60歳を越えていたが、顎髭を蓄えたガッシリとした大男だった。夫人との間には2人の子供がいた。やや知恵遅れ気味のジュニアと、美しい娘ケイトである。ケイトには霊媒としての素質があった。見世物小屋で降霊術を実演したりしていた。
 しかし、彼らには裏の顔があった。早い話が「追い剥ぎ」である。ケイトの「今よ!」のかけ声に合わせて、親父とジュニアが旅人の頭にハンマーを振り降ろす。 続いて母がハリケーン避けの地下室に死体を引きずり込み、裸にして金品を剥ぎ取るのである(と断言してしまっているが、見た者は誰もいないので、これはあくまで想像上のおはなし)。

 彼らの犯行が露見したのは1873年のことである。陸軍のヨーク大佐が行方不明になった弟を捜してベンダーの宿を訪れた。知らぬ存ぜぬでその場はどうにか切り抜けたが、大佐が帰ると一家はトンズラ。
 宿を捜索した当局はヨーク大佐の弟を含む12人の遺体を発掘した。中には少女の遺体もあった。彼女は惨たらしいことに強姦された上に生き埋めにされていた。
 ヨーク大佐の一行はすぐさま一家を追跡したが、捕まえることは出来なかった。しかし、一般には、一家はヨーク大佐に「処刑」されたのだと信じられている。 私も素直にそう思う。


参考文献

『殺人紳士録』J・H・H・ゴート&ロビン・オーデル著(中央アート出版社)
『世界犯罪クロニクル』マーティン・ファイドー著(ワールドフォトプレス)


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