デイル・ネルソン
Dale Merle Nelson (カナダ)



逮捕されるデイル・ネルソン

 1970年9月4日、ブリティッシュ・コロンビア州クレストンでの出来事である。木こりのデイル・ネルソン(28)は昼から酒を飲み始め、おまけにLSDもやっていたので、日が暮れる頃にはラリパッパになっていた。そのままひっくり返って寝ちまえばよかったのだが、何を思ったのか家を出て、遠縁に当たるシャーリー・ウェイセクの家を訪ねた。

 ここからは相当にえげつないので、 臓物関連が苦手な方はどうかご遠慮願いたい。

 シャーリーが玄関を開けるや否や、ライフルの銃床で頭蓋骨を粉砕。子供部屋に向かうと、8歳のシャーリーンを叩き起こし、フェラチオを強要した。しかし、彼女はこれでもまだマシな方である。なにしろ7歳のトレイシーはナイフで腹を縦一文字に切り裂かれたのだから。ネルソンははらわたの中に顔をうずめると、胃の中にある未消化の内容物を食べたと参考文献にはある。私は我が眼を疑った。

 麻薬って恐ろしいなあ。人にこんなこともさせてしまうんだ…。

 私が呆気にとられている間にもネルソンの凶行は続いていた。仕上げとしてトレイシーの口を耳から耳まで切り裂いたのだ。
 ネルソンはどういうわけか、年長で12歳のデビーには手を出さなかった。ペドフィリアだったのかも知れない。いずれにしても、難を逃れた彼女は、ネルソンが家を出るのを見届けると、隣家のマウリーン・マッケイに助けを求めた。午前12時30分のことである。

 警察が現場に急行した時、実はネルソンは付近の物陰に潜んで様子を窺っていた。そして、彼らが捜索のために家から出たことを確認すると、なんと大胆にも再び被害者宅に侵入し、トレイシーの遺体を盗み出したのである。

 ネルソンの狂気の宴はまだ終わらない。しばらく車で飛ばした彼は、ランダムに選んだ家に押し入り、主のレイ・フィップスと奥方のイザベル、そして3人の子供を射殺した。生後18ケ月のロイの遺体が最も惨たらしかった。顔を正面から撃たれたために、殆ど吹き飛んでいたのだ。10歳のポールも、7歳のブライアンも、全員が頭を撃たれて即死だった。しかし、実のところを云えば8歳のキャシーが最も惨たらしかったのだ。ネルソンに掠われた彼女は、陵辱された挙げ句に虐殺されたのだから。

 翌朝、ネルソンの車が発見された。誰も乗っていない。付近一帯を捜索すると、40メートルほど離れた場所に人間の腕が、脚が、頭が、そして、最終的に片手片足を残した胴体に辿り着いた。トレイシーだった。
 そこから200メートルほど離れた場所では、木の幹にロープが巻きつけられていた。キャシーはここに縛られていたのだろうか?

 まもなく掘建て小屋で高鼾のネルソンが捕縛された。頭を小突いてキャシーの行方を訊ねると、いかれぽんちは彼女のもとに案内した。はらわたが抉り出されている。そばには血まみれのワインボトルが転がっている。いったい何をしていたのやら、考えたくもないし知りたくもない。

 法廷では精神異常を主張したネルソンだったが、その抗弁は通らなかった。8件の殺人で有罪となり、終身刑を宣告された。

(2008年12月18日/岸田裁月) 


参考文献

『THE ENCYCLOPEDIA OF MASS MURDER』BRIAN LANE & WILFRED GREGG(HEADLINE)


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