ラッセル・ジョンソン
Russell Johnson
a.k.a. The Bedroom Strangler (カナダ)


 1973年から77年にかけて、オンタリオ州ロンドンとグエルフでは女性の自宅での不審死が相次いでいた。

 1973年10月19日、メアリー・ヒックス(20)の遺体がロンドンの自宅で発見された。彼女はベッドの中で死亡していた。枕が顔の一部を覆っていること以外には乱れはなく、暴行の痕跡も見られなかった。誰かが押し入った様子もない。事件は「処方薬による窒息死」として片付けられた。

 1ケ月後、アリス・ラルストン(42)の遺体がグエルフの自宅で発見された。彼女もまたベッドの中で死亡していた。状況はヒックスの場合とほぼ同じである。やがて彼女は動脈硬化を患っていたことが判明、その処方薬のために死亡したものと判断された。

 1974年3月4日、エレノア・ハートウィックの遺体がロンドンの自宅で発見された。彼女もまた処方薬の副作用で死亡したものと判断された。

 5ケ月後にはドリス・ブラウン(49)がグエルフの自宅で死亡した。このたびは鑑識医が擦り傷や喉と直腸の出血を確認したにも拘らず、警察には報告されなかった。そのために肺水腫による自然死として片付けられてしまった。

 1974年12月31日にはダイアン・ベイツの遺体がグエルフの自宅で発見された。このたびは明らかに殺人だった。ブラジャーで首を絞められていたのだ。また、性的虐待の痕跡も認められた。

 1977年4月にはルエラ・ジーン・ジョージがロンドンの自宅で絞殺された。このたびは宝石や下着が奪われていたが、後日に数ブロック先のゴミ箱に捨てられているのが発見された。

 最後の犠牲者は1977年7月にロンドンで殺害されたドナ・ヴェルドブームである。このたびは絞殺だけに留まらず、ナイフで胸を刺されていた。

 いよいよエスカレートして来やがった。この暴漢を早く逮捕せにゃならん。
 ルエラとドナが住んでいたアパートがごく近くだったことから。警察は付近一帯の居住者を重点的に調べ上げた。結果、1人の男が浮上した。ラッセル・ジョンソン(30)。かつてルエラのアパートに住んでいたこの男には強制猥褻の前科があった。そして、精神病院に放り込まれていたのだ。
 このたびもまた彼を裁くことは出来なかった。精神異常と認定されて無罪となり、オンタリオ州立精神病院に収容された。

 最初の4件は彼が裁判後に自白して初めて殺人だと判った次第である。以上の他にも3件の余罪が疑われている。
 ジョンソンは女性の寝顔を眺めることをこよなく好むフェティストだった。しかし、それにしてもどうして痕跡を残さずに絞殺することが出来たのだろうか? 謎が残る事件である。

(2009年4月6日/岸田裁月) 


参考文献

『連続殺人紳士録』ブライアン・レーン&ウィルフレッド・グレッグ著(中央アート出版社)


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