ホセ・ヴェガ
Jose Antonio Rodriguez Vega(スペイン)



ホセ・アントニオ・ロドリゲス・ヴェガ

 1957年12月3日、スペイン北部の港湾都市、サンタンデールで生まれたホセ・ヴェガは、1987年8月から翌年4月までの8ケ月の間に、少なくとも16人の老婦人(61歳から93歳まで)を殺害した。逮捕されたのは1988年5月19日のことだった。

 犯行の手口はいつも同じだ。まず、ターゲットとなる老婦人(独り暮らしの未亡人)を探し、巧みな話術で近寄り懇意になる。そして、
「ご婦人の独り暮らしはさぞかし大変でしょう。簡単な大工仕事ならばお手伝いしますよ」
 などと持ち掛けて、家に上がり込んだところで牙を剥くのだ。性的に虐待し(但し、精液は残されていないので姦淫はしていない)、仕上げに窒息死させるのである。被害者の中には高齢のためにショック死してしまう者もいた。そのために自然死として処理されたケースもあったという。
 一連の事件がヴェガの犯行であることが発覚したのは、彼が被害者の所持品を奪い、戦利品として自宅の棚に飾っていたからだ。それを遺族が見咎めたのである。

 ヴェガは母親を憎悪していた。故に老婦人ばかりを狙ったのは母親に対する復讐だったのかも知れない。性器に箒の柄を突っ込む等、性的に虐待したのは辱めを与えるためなのだろう。しかし、彼が殺人そのものを楽しんでいたことは間違いない。そうでなければ、これだけの頻度で犯行を繰り返せるものではない。

 結局、ヴェガは16件の殺人で有罪となり、440年の刑が云い渡された。そして、2004年10月24日、獄中のグラウンドで2人の囚人仲間に刺し殺された。44歳だった。

(2011年4月4日/岸田裁月) 


参考資料

http://en.wikipedia.org/wiki/Jose_Antonio_Rodriguez_Vega
http://www.crimezzz.net/serialkillers/V/VEGA_jose_antonio_rodriguez.php


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