ヘンリー・ペリー
Henry Perry
a.k.a. Henry Beckett (イギリス)



 ヘンリー・ペリー(37)は中東から帰還したばかりの退役軍人だ。ロンドンに戻ってからは、継父の妹であるアリス・コーニッシュ(43)を頼って、その家に間借りしていた。ところが、平穏な生活は2週間と続かなかった。主人たるウォルター・コーニッシュ(47)と大喧嘩の挙げ句に追い出されてしまったのである。

 翌日の1919年4月28日、仕事を終えたウォルターが帰宅するや否や、その頭と腕に斧が振り降ろされた。間もなく病院に運ばれた彼は、ヘンリー・ペリーの犯行であることを警察に語った。
 家の中ではアリス・コーニッシュと娘のアリス(14)、マリー(5)の3人が血みどろで倒れていた。いずれも斧で殺害されていた。
 一方、ウォルターも2日後に回復することなく死亡した。

 逃走中のペリーは5月2日、イースト・ハムで身柄を取り押さえられた。
 法廷においてペリーは心神喪失を理由に無罪を主張した。すなわち、トルコ軍の捕虜になった折りの数々の拷問が原因で精神に異常を来したと主張したのだ。しかし、この抗弁は通らずに有罪となり、死刑を宣告された。

 かくしてヘンリー・ペリーは1919年7月10日、絞首刑により処刑された。捕虜云々が事実ならば、ベトナム症候群のような事件だったのかも知れない。古い事件なので、これ以上のことは判らない。

(2012年10月3日/岸田裁月) 


参考資料

http://www.murder-uk.com/
http://eotd.wordpress.com/2008/07/10/10-july-1919-henry-perry-aka-beckett/
http://murderpedia.org/male.P/p/perry-henry.htm


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