ライオネル・シモンズ
Lionel Symonds  (イギリス)



 1922年4月21日、ロンドン近郊ウォルトン=オン=テムズの鉄道路線脇で少女の轢死体が発見された。これに前後して、近くの側線に停められていた未使用の客車の中で、片足を切断された若い男が発見された。直ちに病院に運ばれたが、もう片方の足も砕けており、当時の医療技術では膝から下を切断せざると得なかった。

 男はライオネル・シモンズ(22)というパン職人で、死亡した少女は雇い主の娘、グラディス・ウォール(15)だった。彼が語ったところによれば、事情は以下の通り。

「彼女から妊娠を告げられました。大変なことになったと思いました。おそらく私はクビになるでしょう。いや、それだけでなく、彼女とは二度と会えなくなるでしょう。私たちは世を儚み、共に死ぬことを決意しました。しかし、直前で私は思い留まりました。彼女を止めようとしましたが叶いませんでした。その後のことは憶えていません」

 彼が片足を失った状態で、どのようにして客車に乗り込んだのかは判っていない。

 シモンズの供述を額面通りに信じる者はいなかった。彼は当初から少女のみを殺害する意図だったのではないだろうか? かくして、シモンズは殺人容疑で起訴されて有罪となり、死刑を宣告されたが、後にその執行を猶予された。

(2012年11月12日/岸田裁月) 


参考資料

http://www.murder-uk.com/
http://www.open.ac.uk/Arts/history-from-police-archives/RB1/Pt2/pt2LeglessMurder22.html


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