ベルリン忠臣蔵
SUMMER OF SAMURAI

西独 1985年 115分
監督 ハンス・クリストフ・ブルーメンベルグ
出演 ヴォジェックス・プュショナック
   ユルネリア・フローボッシュ


 

 現代のドイツに大石内蔵助が蘇り、悪徳企業を成敗する。撮りようによってはドタバタになりかねない内容を、日本贔屓の監督が情緒過多に撮ったために、極めて退屈な作品に仕上がった。邦題に騙されてはいけない。この映画はコメディではないし、ベルリンなどどこにも出て来ない(舞台はハンブルグ)。なお、このいい加減な邦題の名付け親は『死霊の盆踊り』の江戸木純氏である。

 ところで、この映画が我が国でリリースされた数年後、ベルリンの壁が崩壊したが、その記念番組として本作がNHK衛星放送で放映されたのにはキモを潰した。案内役は樹木希林。しかもベルリンからの衛星生中継だった。いったい何を考えていたのだろうか?。
 バブルだったんだなあ。
 樹木希林はこの退屈なドイツ映画を見たことがなかったのだろう。映画が終わり中継画面に戻ると、そこには演技ではない彼女の引きつった顔があった。


 

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