Dr. ギグルス
DR. GIGGLES

米 1993年 96分
監督 マニー・コト
出演 ラリー・ドレイク
   ホリー・マリー・コムズ
   クリフ・デ・ヤン
   リチャード・ブラッドフォード


『ダークマン』の変な顔のおっちゃんがキ印のお医者を大熱演、ってことで一部の人々の間でちょっとだけ話題になった作品。しかし、『ダークマン』と比べちゃうと見劣りすること甚だしいので、アッという間に忘れられて、今では憶えてる人の方が少ないんじゃないかい?。

 一言で云えば「自分のことを医者だと思い込んでるキチガイがいろいろと殺してまわる映画」である。「ギグルス先生」という精神病院でのアダ名の通りにいつもクスクス笑っている(giggle=クスクス笑う)。バカ丸出しだが、知能指数は異常に高いらしく、機転を効かして精神病院から脱走、ホームタウンに舞い戻る。
 ギグルス先生のお父さまはかつてはこの町の名医だった。ところが、妻が心臓病で倒れてからは地軸がカタンと傾いて、心臓移植の実験を患者で実践するマッド・ブッチャーと成り果てる。事のあらましを知った町人たちはお父さまをリンチで殺害。幼い一人息子は脱走して行方不明となっていたが、実はこれまで精神病院に入れられてたのだ。
 というわけで、とってもユニークな出自のギグルス先生なのだが、その出自の面白さ、奥深さが物語にあまり生かされていない。「13日の金曜日」類似のジェノサイド・ムービーに終わってしまっている。
 後半で少年ギグルスのアッと驚く脱走方法(母親の屍体の中に隠れていた)が明らかにされるが、グロテスクな面ばかりが強調され過ぎていた。あそこは少年ギグルスの賢さを強調してもよかったのではないか?。さすれば、ギグルス先生もレクター博士のようなダーク・ヒーローになれたかも知れない。続編も出来たかも知れないのだ。残念でした、ギグルス先生。

 さて、ギグルス先生ことラリー・ドレイクは、この後『ダークマン2』に出演。「死んだ筈なんだけどなあ」という声をよそに、一部の人々の間で話題になるも、あまりの出来の悪さにカックン。今ではなかったことになっている。 『ダークマン3』ってのもあるが、これもなかったことになっている。なかったんだってば。


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