悪魔のしたたり
BLOODSUCKING FREAKS

米 1974年 89分
監督 ジョエル・M・リード
出演 シーマス・オブライエン
   リネット・シェルドン
   カレン・フレイシャー
   ニールズ・マクマスター


 とにかく、あらゆる意味で最低な映画。これよりもシドい映画は世界中探してもあまりない。

 残酷劇を主催するサルドゥという名のキチガイ男。彼は黒人ミゼットの召使いに命じて女を誘拐し、洗脳してこれを舞台でなぶり殺し、上物は奴隷として海外に輸出していた。恐怖の館の地下牢には洗脳に失敗して白痴と化した全裸の女が十数名。彼女たちの食事は舞台で殺した女たちの生肉だった。
 そんな非人のサルドゥの夢は、彼のアートが世界中に認められることだった。或る日、客席の中にナタリアという有名なバレリーナを見つけた彼は、彼女をスカウト(=洗脳)するべく誘拐する。ところが気の強い彼女はなかなか洗脳されない。彼女を「しつけ」るために何人もの少女たちが犠牲になる。或る者は股を裂かれ、或る者はギロチンで首を落とされ、また或る者は小便器にさせられる。こうした拷問が延々と続く。しかもコメディタッチで。だけど残酷にすぎて全然笑えない。


 かくしてナタリアはどうにか洗脳されて、サルドゥ念願の「残酷バレー」が初日を迎えるわけであるが、このシーンがまた酷い。ナタリアがスッ裸でおっぴろげジャンプをするだけである。
 さて、そろそろオチをつけなければならない。このくだらない映画の脚本家はエンディングに悪徳刑事を用意する。サルドゥの悪事に気づいた刑事は彼を縛り上げ、あからさまに賄賂を要求する。「金なら地下牢にある」。これを信じて地下牢を開ける刑事は、白痴の女どもに喰われる。しかし、扉を開けたままだったのでサルドゥたちも喰われる。
 ラスト。性器も露わな全裸の白痴女十数名が唸り声をあげて踊っている。やがてカメラは一人の女が手に持つホットドッグをアップでとらえる。具はペニスだ。ジ・エンド。
 これほどヒドいエンディングの映画は世にもあるまい。


 ところで、この映画には、違う意味で私の好きなシーンがある。
 衰弱したナタリアを治療するためにサルデゥ邸に呼ばれたキチガイ医師が、報酬として一人の女をあてがわれる。彼は嬉々として女の歯をすべて抜いた後にフェラチオさせ、その上、脳天に電気ドリルで穴を開けて、ストローを差し込んで脳ミソをすするのである。その余りの酷さにサルドゥさえもが眼を背け、召使いに彼の殺害を命じる。私がこの映画で笑ったシーンは、唯一ここだけである。


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血ぬられた頭蓋骨(BLOOD BATH)


 

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