ジョー・ピスコポのアメリカの夢
AMERICAN TICKLER

米 1976年 77分
監督 チャック・ヴィンセント
出演 ジョー・ピスコポ
   ジョアン・サマー
   W・P・ドリマック


 いろいろと謎の多い映画である。
 まず、どうして「ジョー・ピスコポの」なのだろうか?。たしかにジョー・ピスコポは出ているが、ほんの数シーンだ。数多の出演者の中で彼が一番有名だからそう
したのだろうが、ジョー・ピスコポて。よっぽどのコメディ好きでなきゃ知らないぞ、この日本では。(註1)

 次に、どうして「アメリカの夢」なのだろうか?。ここで繰り広げられるギャグはシモネタか差別ネタかのどちらかだ。巨大なチンポコを見上げて「見てよ!。スゴーク大きい!」と叫んだり、浜辺でラビ(ユダヤ教の司祭)を見つけて「ジューズ!(ユダヤ人だ!)」と叫んだり(『ジョーズ』のパロディのつもりらしい)、これが「アメリカの夢」では情けなくなる。

 しかし、どうしてアメリカ人がこの手のパロディ映画を作るとシモネタや差別ネタばかりになるのだろうか?。しかも、思いっきり程度が低いんだなあ、これが。ファックとかディックとかシットとかを連呼していれば観客が喜ぶと思っている。
 いや。実際に喜んでるんだろうなあ、ヤンキーどもは。だからこそ、そんなのばかりになるんだろうなあ。

 テリー・ギリアムとそっくりな切り抜きアニメーションが多用されていることから、本作がモンティパイソンの影響下に作られたことは明らかである。『モンティパイソン・アンド・ナウ』の線を狙ったコント集であるが、笑えるものはほとんどない。どうしてこんな映画が我が国でビデオ化されたのか?。そして、どうして私がこのビデオを持っているのか?。まったく謎の多い映画である。

 最後に一つだけ褒めとこ。
 終盤に出てくる「売食婦」(売春婦に否ず)のエピソードだけは面白い。食べることで性的に興奮する人々を描いており、伊丹十三の『タンポポ』の先駆である。あまりに似ているので元ネタの可能性もあるが、伊丹十三がこんな映画を見ているとは思えないので、それはないの
だろう。

註1 ジョー・ピスポコは『サタデー・ナイト・ライブ』にエディ・マーフィーと共に出ていたコメディアン。他には『ゾンビコップ』ぐらいしかない。


関連作品

ゾンビコップ(DEAD HEAT)


 

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