ベル
BELLS

米 1980年 95分
監督 マイケル・アンダーソン
出演 リチャード・チェンバレン
   ジョン・ハウスマン
   サラ・ボッツフォード
   ロビン・ガンメル
   ゲイリー・ライネック
   バリー・モース


 アダルトビデオを100本以上借りたことがある方ならば、同じものを借りてしまったことが1度や2度ならずあることだろう。
 かく云う私も3度ある。
 タイトルなんかいちいち覚えているはずもなく、また、ああいうものはパッケージ写真のインパクトだけで借りるので、己れの趣味嗜好に合った、似た傾向のものを選び勝ちなのだ。
 だから、時として同じものを借りてしまい、地団駄を踏むことになる。「ああッ、これは前に借りたことがある」と。「ああッ、今回もヌキどころが同じだ」と。

 さすがに映画に関しては、内容で借りるのでこういうことは滅多にない。しかし、時としてパッケージ写真のインパクトだけで借りてしまうこともあり、そうした時には同じものを借りて地団駄を踏むこともある。
 この『ベル』という作品、私は2度借りて、且つ、そのことをすっかり忘れて、終いにゃワゴンセールで購入までしてしまった。愚かという他ないが、どうして私がこの愚にもつかない作品の虜になったのか?。それはパッケージ裏(左写真)の1枚の写真に原因があった。


 左の写真がその現物である。
 どうです?。なかなかイカした写真でしょ?。白黒ってのもアングラっぽくてよい。
 当「最低映画館」御贔屓の皆さんなれば「なんだこりゃ?。これはちょっと観てみたい」と必ず思われることであろう。
 ところが、私が何度も借りてしまったということは、それだけ印象の薄い作品であった、ということなのである。たしかに、右のシーンはあることはあるが、写真ほどインパクトのあるものではない。

 要するに、クルクルパーの博士がいて、己れを蔑ろにした者どもを電話ケーブルを使って殺害する、という物語。たまたま教え子を殺されたリチャード・チェンバレン教授が単身調査に乗り出すも、事件を隠蔽したい電電公社の妨害工作に遭って苦労してます、ってなありがちな物語が、手堅い演出でテキパキと進み、その手堅さが故に印象の薄い作品に仕上がっている。
 監督のマイケル・アンダーソンは『80日間世界一周』の名匠、というかジジイ。はっきり云って旬は過ぎてます。他にも『2300年未来への旅』とか『オルカ』とかで若者に迎合するべく頑張ってますが、あまり受け入れられなかった、というのが実情です。


関連作品

2300年未来への旅(LOGAN'S RUN)


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