評価 ★★★★

呪いの館
OPERAZIONE PAURA
a.k.a. KILL, BABY...KILL !

伊 1966年 84分
監督 マリオ・バーヴァ
脚本 マリオ・バーヴァ
   ロマノ・ミグリオリーニ
出演 ジャコモ・ロッシ=スチュアート
   エリカ・ブラン
   ファビエンヌ・ダリ


 辺鄙な村で相次ぐ怪死事件。検視解剖に訪れた医師が事件を探るうちに、原因は村の有力者にあることを突き止める.....というハマー・フィルムでお馴染みのプロットだが、マリオ・バーヴァ独自の美学とテクニックにより芸術的な仕上がりを見せている。ストーリーがガチャガチャなのが残念である。要するに、20年前に有力者の娘が事故で死に、その怨霊が村びとを次々に血祭りに上げていたという話なのだが、その母親が霊媒師で、実は娘の霊を操って犯行を繰り返していたとか、死んだ娘の妹が意味もなく登場したりとか、後から付け加えたような無駄が多い。もう少し片づけた方がいいと思う。
 ただ、その妹が見る悪夢の美しさと不気味さには眼を見張るものがあるし、主人公がドッペルゲンガーに出会うシーンも面白い。逃げる男を追いかけて隣の部屋に行くと同じ部屋、そのまた隣も同じ部屋。これを何度も何度も繰り替えして、ようやく男を捕まえると、自分と同じ顔だった。うひゃあと仰け反り、蜘蛛の巣だらけの壁にもたれかかる。次のショットで主人公は巨大な蜘蛛の巣に捕われている。観ていてとても楽しいのだが、これらのシーンは本筋とはあまり関係がない。撮りたいから無理して付け加えたという感じだ。ここらへんのストーリーのガチャガチャ加減がバーヴァがB級扱いされ続けている所以だろう。


↑少女の怨霊はかなり頻繁に姿を現す。


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