悪魔のえじき/プルータル・デビル・プロジェクト
VIOLENT SHIT 3

独 1999年 カラー
監督 アンドレアス・シャナース
出演 ジョー・ニューマン
   ウィニー・ホール
   チョウ・ヤン・リン
   ジャン・リー
   ソン・リー


 本作のビデオは、以下のような日本語のテロップとともに始まる。

「99年7月、3人の男が孤島に上陸したまま行方不明になった。その後、孤島の様子を撮影したフィルムが漂流してるのが見つかった。
 この映画はそのフィルムを修復し、再編集したものである。
 なお、当局はこのフィルムを手の込んだニセモノと決めつけ、3人の男たちの捜査を打ち切った。彼らの消息はいまだに不明である。また、孤島の位置も明らかにされていない.....」

『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』のバッタもんとして始まるこのビデオ、そのまま見ているとどうも様子がおかしい。セリフはドイツ語だし、ちゃんとカット編集が施されている。『ブレア・ウィッチ』とは明らかに作りが異なるビデオドラマだ。そして、はらわたがベロベローンと出てきた時点で気づくのである。しまった。だまされた。これは『ブレア・ウィッチ』じゃない。『ギニーピッグ』の方だ、と。

 さすがにこのビデオを『ブレア・ウィッチ』と間違って借りる人はいないだろうが、パッケージのデザインがよく似ているので、姉妹編かと思って借りた人も多いのではないだろうか?。しかし、こうしたデザインや冒頭のテロップは日本の配給会社が仕組んだこと。まったく関係ない(バッタもんでもない)ドイツ製のスプラッター・ビデオである。スプラッター・ブームの去った後では、そのままリリースする勇気がなかったのだろう。


 私はパッケージを手に取って、だいたいの予想がついたので、そのまま借りないでいた。ドイツ製のスプラッターは陰惨なものが多いので、食傷気味になっていたのだ。
 しかし、後にその「スゴさ」を耳にして、早速借りて観た。
 なるほど。これはスゴいわ。
『ギニーピッグ』というよりも『ブレインデッド』に近いドタバタの乗りなのだ。異常にテンポがよくて、編集もスピーディ。静止画像で見ると残酷だが、まったく残酷に感じない。むしろ笑いが込み上げてくる。
 忍者が出て来てカンフーを始めたあたりから、ようやく意図が呑み込めた。

「なあんだ。『マトリックス』残酷版だ」

『マトリックス』の監督はカンフー映画と日本のマンガが大好きだったので、そのすべてのエッセンスをブチ込んであれを作った。
 かたや、この監督はカンフー映画とスプラッターが大好きだったので、そのすべてのエッセンスをブチ込んでこれを作った。
 基本的には同じスタンスに立っているのである。要するに「オタク映画」だ。予算は100倍くらい違うだろうが、熱意は同じだ。

 はっきり云って、このビデオ、『ブレア・ウィッチ』なんかよりもよっぽど面白い。その面白さは『マトリックス』に比肩する.....とは言い過ぎだが、いずれにしても、掘り出し物には違いない。


 

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