ブラディ・ピット・オブ・ホラー
THE BLODDY PIT OF HORROR

伊 1966年 87分
監督 マッシモ・プピロ
出演 ミッキー・ハーガティ
   ルイーズ・バレット
   ウォルター・ブランディ
   ラルフ・ザッカー


 この手のイタリア製残酷ホラーはズッコケちゃうのも多いのだが、これはとんだ拾い物。殺戮に次ぐ殺戮、拷問に次ぐ拷問と、内容はないに等しいが、古城を舞台に繰り広げられるエロチックな惨劇は雰囲気満点で、観ていて飽きない。

 或る雑誌のグラビア撮影隊、古城を借りて、エロチックなホラー写真を撮影している。この古城のかつての城主は、数々の悪行が故に処刑されたジル・ド・レエのような人物。撮影隊の一人がたまたまその墓を暴いてしまったために、その怨霊が現在の城主に乗り移り、撮影隊を一人また一人と血祭りに上げるのであった。

 圧巻はクライマックスの大拷問ショーである。ギリギリとネジで手足を引っ張られて、身長が伸びてしまう女。グルグル回る柱に縛られて、乳房を刃物で傷つけられる女。石の台にうつ伏せに縛られて、その台の中に燃え盛るコークスを入れられて、あまりの熱さに身悶える女。背中に煮立った油をかけられる女。さながら東京タワー蝋人形館のようなアナクロ趣味の大残酷。これを見せるためだけに作られた映画といっても過言ではない。
(別タイトルは『テイル・オブ・トーチャー』=拷問のおはなし。ストレートな題名である)。

 気が狂った拷問人を演じるのはミッキー・ハーガティ。ハンガリー出身のボディビルダーで、あのジェーン・マンスフィールドと結婚したことで有名になったが、役者としてはC級止まり。シュワルツネッガーよりも二枚目なのに残念なことである。


備考

 本作は『惨殺の古城』のタイトルで、我が国でTV放映されたことがある。


 

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