月のキャットウーマン
CAT WOMEN OF THE MOON

米 1953年 白黒
製作 アル・ジンバリスト
監督 アーサー・ヒルトン
音楽 エルマー・バーンスタイン
出演 ビクター・ジョリー
   ソニー・タフツ
   マリー・ウィンザー


 全身タイツのキャットウーマンがショボくて泣けてくる最低SF。つまらなさにおいてあの『ロボット・モンスター』をも凌駕する。事務机の操縦席学芸会のようなカキ割りのセット。天井から吊っただけの巨大グモ。キャットウーマン・ダンシングも空しく、史上稀にみるダメ映画である。にもかかわらず何故か3D映画。ライノから発売されていたビデオには、3D眼鏡が4ケ付いておりました。

 人類初の月探索ロケット。途中で火事に遭い、消火器で消し止める(笑)。ロケットなのに普通の家庭用消火器(小)でやで。
 で、月に降り立って、「おや、酸素があるぞ」と宇宙服を脱ぎ捨てる(苦笑)。酸素はあっても、他に有毒ガスがあるかも知れんやんけ。
 それで、キャットウーマン軍団に出会って、お色気攻撃でロケットを乗っ取られそうになるが、適当に戦って「ああ、怖かった」って地球に帰って終わり。本当にしょ〜もない。


 ところで、この映画、アメリカではかなり有名らしく、あのジョン・ランディスやジョー・ダンテらが共同で監督したパロディ映画『アメリカン・パロディ・シアター』の元ネタになっている(原題は『アマゾン・ウーマン・オン・ザ・ムーン』とバカバカしい)。劇中劇では事務机の操縦席、カキ割りのセット等が忠実に再現されており、大統領にはフレデリック・J・アッカーマン、女王様にはシビル・ダニングを配する等、通好みの仕上がりになっている。


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