悪魔の生首
THE BEDEVILLED

香港 1974年 88分
製作 レイモンド・チョウ
監督 ロー・ウェイ
出演 池玲子
   コー・チェンシン
   ジェームズ・チェン


 このキッカイな香港製ピンク怪談に池玲子が出演している裏には、なんとあのブルース・リーが関係している。
『燃えよドラゴン』以前のブルース・リー映画3本を買い占めたのは東宝東和だった。『燃えよドラゴン』を試写で観て「これはイケる!」と即行で香港に飛び、
「ブルース・リーの映画、なんでもいいから全部売ってくれ」。
 とゴールデン・ハーベストに交渉したのだ。その際に、タイトルが判っていたのは『FIST OF FURY』だけで、これはそのまま『怒りの鉄拳』になったのだが、他にも2本あるらしい。そこで適当に『危機一髪』『電光石火』と命名して、そのまま広告したというから大らかな時代だ。
 ところが『電光石火』であった筈の『ドラゴンへの道』が東映に売られてしまった。この裏取引にコマとして使われたのが池玲子だったのだ。
「ポルノの女王を貸すから、どうかうちにもドラゴンを1本」。
 とチョウさんに交渉したのである。
 これに怒った東宝東和が「契約違反だ!」と文句を云うと、チョウさんはしたたかに、
「じゃ、代わりに『死亡遊戯』を完成させますから」。
 この条件を飲んで、その繋ぎに東宝東和が配給した『グリーン・ホーネット』の邦題が『電光石火』。まったく胡散臭い業界である。


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